『Mental Lyric』個人ショップにて販売

マジックマーケット2023秋、無事に終了しました。主催者の戸崎さんはまだお仕事が残っていらっしゃるようですが、ひとまずこのイベントに関わったすべての方々、お疲れさまです。また当ブースの商品をお買い上げいただいた皆様、誠にありがとうございます! 

新刊として頒布させていただいた『Mental Lyric:即席風トリプルプレディクションの一解法』ですが、このたび個人のショップにおいても販売することになりました。というか、もうしています。欲しい方はこちらからお買い求めください。これが今回の記事の本題です。あとは読まなくていいです。

マジケ直後のタイミングでショップに出すかどうか多少迷ったのですが、今回マジケに出品したところ事前に予期していたよりも多くの方に興味を示していただき、またおおむね良い感想を頂きました。「買っておくべきだったなー」という声も見かけましたので、どうせいずれ出すならマジケの余熱が冷めないうちに出そうと思った次第です。

さて、マジケ後だから語ることなのですが、先述したように『Mental Lyric』は事前に予想していたよりは多くの方に手に取っていただけたようです。裏を返すとそんなに売れないだろうなーと思っていました。OA原理による多段階予言というテーマそのものが大勢の人々の関心を集めるものではないだろうし、ニッチな商品というつもりでマジケに出品しました。

とは言え、同テーマに基づく手品商品はマジックショップを覗くとちらほら見受けられます。国内のマジシャンによるものも2例ほど確認しています。あらためて断っておくと、こういった作例のいずれにせよ、僕自身が心の底から納得いったものはありません。それがわざわざMental Lyricの手法を考えた理由です。そもそもMLに課した条件というのはけっこう厳しめのハードルであり、それを解消するトレードオフとして技術的な難しさや手間が加わっています。決して気軽で万能な代替案というつもりではないです。ちゃぶ台返しみたいに聞こえるかもしれませんが、本文「まえがき」で批判したような(ぐちゃっとする)やり方も、時の試練を経て今の今まで残っているのですから、あれはあれでそれなりの強度を持っている手法であることは間違いありません。時と場合と目的に応じてはあれももちろん有効なわけです。MLの手法は、それを踏まえた上でより純度の高い効果を追求したい(僕と同じような)方にとってのひとつのオルタナティブな選択肢として提案させていただきました。誰にでも勧められる万能で完璧なアンサーだとは思っていないため、副題を「一解法」という結語としています。だからまあ、やはりニッチな性質のものですよね。

ここで提案した手法がどれくらい「有効」なものであるのかは、少なくとも僕自身はその価値をある程度まで信じているために発表したのですが、結局のところ正確な判断ができるわけではありません。時の試練によって簡単に淘汰されていくもののひとつに過ぎないかもしれません(確率論から言ってその可能性のほうがはるかに高いです)。ですが、だからと言って新たなメソッド、新たな見せ方を考えることを放棄してしまっては、手品の発展はありません。どこぞの馬の骨とも知れんアマチュアが手品の発展なんて言うと大げさですが、少なくとも自分自身の手品に関しては、ちょっとずつでいいから理想の形に近づけていきたいものです。

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